kazemachiroman’s diary

kazemachiromanのお薦め

スウィート17モンスター 85点

スウィート17モンスター (字幕版)

 

 「『おとなになる』とはどういうことか、王道の青春映画」

 

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主人公は、自己嫌悪が原因で他責性の強い17歳の少女。4年前に慕っていた父親を亡くし家族の中で孤独感を覚えている上に、小学2年生から付き合いの唯一の友達である親友は、自らの失態がキッカケとなって家族の中の天敵である兄と付き合ってしまい、その事実を受け入れられない主人公はどんどん孤立していく。

 

こちらも青春映画の傑作である「エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界ボクらの手の中に」(90点)のブレイク・ジェンナー演じる兄は、イケメンで体格もよく友人に囲まれていて、さらに母親のお気に入りで頼りにされているナイスガイで、妹とは対照的。そんな兄にも「人生なんて不公平なものだ。乗り越えろ」と言われてしまう。

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家族とも親友ともうまくいかない主人公は、さまざまな奇行に出てその度に傷ついていく。完全なひとり相撲で自業自得なんだけれど、「自分を中心に世の中が回るべきだ」という子供時代独特の気分が表現されており、「そんな時代もあったね」となかなか胸に来るものがある。

 

その後いろいろな(小さな)事件が起こり、主人公は、兄が父親の死以降、気丈に振る舞いながらも精神的に家族(特に母親)を支えていたこと、進学を諦めながら家族を護ってきたことを認識するようになる。一足先に「引き受ける側」、つまり「おとな」になっていたということを痛感することで、自分自身の「こども」さを思い知る。

 

ラストはお決まりのハッピーエンドだけれど、なにより主人公をはじめとする俳優陣の演技が素晴らしく、ご都合主義的な展開を感じさせない*1

 

大人も子供も大人になりきれない人もみんな楽しめて、胸に突き刺さるお薦めの作品です

 

エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に

 

 

 

 

*1:いや、実際は主人公のことを一貫して好きなアジア系のイケメンで金持ちで才能もある少年がいて、最後はその少年の気持を受け入れることでハッピーエンドになるので、かなりご都合主義なんだけれど……