シェイプ・オブ・ウォーター 95点
「半魚人と唖の女性との美しく哀しい恋愛お伽話」
「パンズ・ラビリンス」のギレルモ・デル・トロ監督が贈る、ミュートのサリー・ホーキンス演じる主人公と半魚人(というか両生類のクリーチャー)のラブ・ストーリー。
荒唐無稽な設定なんだけれど、気の利いた小道具やちょっとした行動の演出によって、見事なまでに感情が吸い込まれていく。一面的ではあるが端的な描写で、悪役のマイケル・シャノンにすらある種の悲哀を感じさせる。
1960年代の設定だと思われるが、街の雰囲気、随所に出てくると映画、流れる音楽等、すべてが素晴らしく表現豊か。「美人とは言えない」と形容されがちな主人公がこの上なく愛おしくなる、という物語運び演出が見事。傑作。
今年度ベスト候補レベルで、お薦めです。
※R18なので、若干の性的描写・暴力描写があります。