デッドプール2 85点
「前作以上に"ライアン・レイノルズ"が表現された爽やかな快作」
「完成度」という意味では、前作に譲るけれど、娯楽としてとても楽しめる作品だった。よい意味で主役(脚本もやっている)のライアン・レイノルズの「いいヤツ」な人柄がとてもよく反映され、荒唐無稽で洒脱なんだけれど奥底はたいへんマジメなメッセージのある内容。
冒頭からダニエル・クレイグ主演の「007」のオープニング・タイトルのパロディで爆笑させられる。ことあるごとにフィーチャーされるa-haの"Take On Me"は、前回の"Careless Whisper"から続く'80年代ヒット曲つながりなんだけれど、かの有名なMVの「本歌取り」的な使われ方がされていて、「アトミック・ブロンド」で’80年代ロックを駆使したデヴィッド・リーチ監督らしい技巧的な音楽の使われ方だと思った。
「”X-MEN"はポリティカル・コレクトネスに反するから”X-Force”にしよう」という科白なども力の抜け具合が最高。
ラストの「グリーン・ランタン」の脚本を見てニヤける(昔の)ライアン・レイノルズ自身を撃つシーンは、自虐ネタに爆笑させられる一方で、過去の自分との決別をあらわしているようにも思え、清々しい気分が残る。
ちぐはぐな脚本とかアクションと物語のスケールのアンバランスさとか、確かに指摘すればキリがないけれど、スカッと爽やかで何重にも楽しめ、ライアン・レイノルズが好きになる作品。お薦めです。